オノマトペの宿主

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このブログは正しい英語については全く保証できないので、基本的に英語についての断定は避けているつもりである。英語ができないし何も分かってはいないが、文体は偉そうに書くというのがスタンスのひとつである。

しかしこれくらいは断定させてもらおう。「do」は英語の中で最もよく使われる動詞である。なにしろ疑問文の文頭にも使われるし、代動詞としても使われる。「do」を制するものは英語を制するというのは、さすがに過言であるが。

日本語で「do」にあたるのは「する」だろうが、これもよく使われる。疑問詞に使われたりはしないが、「する」は日本語特有の使われ方をしている。それは漢字や外来語とあわせて新たな動詞を作ってしまうという使われ方である。「改善する」「ゲームする」など、適当なことばと「する」をあわせれば動詞ができてしまう。便利なものである。

さて英語の「do」も、日本語の「する」も、妙な活用をする。「do」は「do,did,done」、「する」はサ行変格活用である。おそらく頻繁に使われる言葉は、使い込まれるうちに他の言葉とは違った変化をするのだろう。

この「do」がじゃあ一体どこから来たのだろう、と思って調べてみると、もともとは「don」という音であったようだ。(インターネットのいくつかのページからつまみ読みして推測している話なので、確かなソースは見つけていない。)そしてこの「don」は、もともと物を置く動作のことを示していたようである。ということは、物を置く音から言葉ができているのではないか?と推測する。「do」はもしかすると擬声語なのかもしれない。

 

考えてみると、英語の動詞には擬声語からきているのではないかと思われるものが多い。pop, smash, chat, flick, click

対して、日本語の動詞にはあまり音から派生したものは少ないように思う。「はじける」「すべらせる」「押す」

日本語には動詞が少ない、という意見がある。この真偽については諸説あるようなのでひとまず置いておくが、日本語に擬声語が多いというのはある程度確かなようで、実感としてもわかるものである。「ぽんぽん」「ぺちゃくちゃ」「すべすべ」など。たとえば仮説として、日本語の動詞には擬声語から派生したものが少なく、そのニュアンスを詳細に伝えるために、擬声語が多くなっているとはいえないだろうか。

日本の漫画では擬声語が頻繁に使われ、英訳の際に苦労するという話はよく聞くが、アメリカンコミックでは「CRAAAAAAAASH」とか「BOOOOOMB」と書かれていたりする。つまり、英語には擬声語が少ないというよりも、それぞれの言葉に擬声語のニュアンスが宿っているのだともいえる。のかもしれない。

 

ところでそうしてみると、日本語の音は一体どこから来たのかよくわからない。「する」はどうなって「する」という音になったんだろうか。