表現英文法

 この土日は多忙により、ブログの更新ができなかった。開始以来の連続更新記録は途絶えてしまった。連続更新自体に意味はないと思うも、少し寂しい気持ちがあることも確かである。気を取り直していこう。

多忙ではあったが、英語の勉強はしていた。数日前にいい本を購入したので、まだ途中だが紹介しようと思う。

英語の文の構造、つまり文法について、なぜその表現が選択されるのか、その言葉のニュアンスはどのようなものなのか、について詳細に解説された本。いわゆる文法書ではあるが、その目次からして独特である。

【第1部】名詞の文法 (モノ的世界)
[Chapter 1] 対象のとらえ方を示す冠詞
[Chapter 2] 数詞と数量詞
[Chapter 3] 前置修飾
[Chapter 4] 後置修飾
[Chapter 5] 代名詞
[Chapter 6] 名詞節

【第2部】動詞の文法 (コト的世界)
[Chapter 1] テンス(時制)とアスペクト(相)
[Chapter 2] 未来を語る表現
[Chapter 3] 動詞のタイプ
[Chapter 4] 話し手の態度と法助動詞
[Chapter 5] 態 能動態と受動態と中間態
[Chapter 6] 動詞のスクリプトと構文
[Chapter 7] 形容詞構文

【第3部】 副詞の文法 (状況的世界)
[Chapter 1] 副詞的表現の機能と位置
[Chapter 2] 豊かな意味を生み出す副詞的表現
[Chapter 3] 前置詞

【第4部】 情報配列と構文
[Chapter 1] 語順 情報配列のテンプレート
[Chapter 2] 情報連結詞
[Chapter 3] 文のタイプ
[Chapter 4] 比較構文
[Chapter 5] 否定構文
[Chapter 6] 話法
[Chapter 7] 仮定法構文

 

この本の最初は、「a」の使い方から始まる。aをつける名詞、つけられない名詞、いわゆる「可算名詞」「不加算名詞」の説明だが、単に例としてそれぞれの単語を上げるだけではなく、そのニュアンスの違いにまで踏み込んでいる。つまり可算名詞か不可算名詞かというのは、単にそう決まっているから、というものではなく、英語話者のモノに対する感覚を表している、ということなのである。たとえば「sand」は不可算名詞だが、「pebble」(小石)は可算名詞である。「rice」や「wheat」は不可算名詞だが、「oats」は可算名詞である。こうした詳細なニュアンスの考察を踏まえたりすることにより、「a」の項目だけで20ページほどが割かれている。続く「the」も20ページほどだ。「theの利用に関しては、相手のことを思いやらなければいけない」という趣旨のフレーズには心打たれた。

まだ読み途中だが、修飾語を「前置修飾」「後置修飾」の2パターンで解説しているのも興味深く、また腑に落ちるところだ。日本語では基本的に前置修飾しかないので、この前からも後ろからも修飾されるというのは非常にプレッシャーのかかるものだ。このような分類の仕方は感覚と非常にリンクするもので、構造がクリアになっていくようで大変面白い。

おそらく類似のテーマで大変人気のある本に「一億人の英文法」というものがあり、私も少しめくって読んでみたが、この「表現英文法」と比べると非常にライトな印象がある。学生や、そこまで仔細な表現のニュアンスを学ぶ必要のない人には、こちらのほうが読みやすいのかもしれない。私個人としては、「表現英文法」のほうがマニアックで面白く、読む楽しさがある。

まあ、言語構造の細部について掘り進める本なので、これを楽しく読んだところで、英語が話せるようになるかどうかについてはわからない。些細なニュアンスの違いが気になるようになって、より英語が瞬間的に作れなくなるということもあり得るかもしれない。しかしともかく面白すぎるので読み進めるほかない。

また読み終えて消化した際にはレポートを書こうと思う。