デブゲット
「表現英文法」をざっと読んで、その面白さに唸りつつも、さあこれで英語が喋れるようになったぞという手応えは全くない。当然だ。読んだだけで英語が喋れるようになる秘伝の書は存在しない。話せるようになるためには、話すことが必要なのだ。
「表現英作文」の面白さについてはまた後日に回すとして、とにかく英語を口から出す練習をしよう。
ところで最近自炊をさぼったりおやつをつい食べてしまったりして、お腹が一回り大きくなってきたように思う。これはまずい。日中も椅子に座ってばかりの仕事だから、体を動かす機会は作らないといけない。しかし残念ながら私はダイエットなどの運動が嫌いだ。球技は好きで、特にサッカーはずっとやりたいと思っているのだが友達が少ないのでなかなかやるチャンスがない。お腹はますます大きくなるばかりだ。考え事をするのに糖分が必要だ、などということはあるから、勉強をそれなりにしていればカロリーが消費されるということはないだろうか。人間の脳は高度な文化を作り上げるほど発達しているのだから、それなりにエネルギーを消費するようなものであればいいのに、私が英語を勉強してもお腹のお肉はなかなか分解してくれない。なんて効率のいい器官なのだろう。それとも私は勉強していると見せかけてあまり頭が回っていないのだろうか。それが一番ありそうであるが。
そういうわけで「太ってきた」を英訳してみよう。
いくつか検索してみた結果、以下の二つが主に使われている表現のようだ。
I'm gaining weight.
I'm getting fat.
おそらく下のほうが砕けた調子で、fatはちょっと侮蔑的な、つまりデブという言い方に近いものがあるので、他の人に向けては使わないほうがよさそうだ。
このgainとget、単純な意味ではどちらも「得る」ということだが、上の2つの例文でgainとgetを入れ替えると、これはちょっと不自然な響きになるようだ。どのくらい使われているのかをgoogle検索の件数で比較してみよう。
"I'm gaining weight" → 約 152,000 件
"I'm getting fat" → 約 357,000 件
"I'm getting weight" → 約 6,620 件
"I'm gaining fat" → 約 4,690 件
なるほど。
ここで使われている「get」は、fatを「得る」というより、fatに「なる」というコアイメージなのだろう。weightを得て増やすgainすることはできても、weightになることはできない。
そうすると最初に挙げた二つも、直訳ではもう少し印象が違うかもしれない。
I'm gaining weight. 「体重が増えてきた」
I'm getting fat. 「デブになってきた」
例えばもともと痩せていた人の体重が、平均くらいにまで増えてきた、ということであれば、上の表現のほうが自然かもしれない。下だと、人によっては嫌味に聞こえたりするのかもしれない。
さて、今の私にどちらの表現のほうが自然なのか?と問われれば、これは確実にgetting fatである。I want to lose weight.