トンチン保険が怖い

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こんにちは。トンチン保険ってご存知ですか。

トンチン保険とは、最近流行っている新しい種類の保険で、長生きすればするほどお得という保険ですね。逆にいうと、早めに死ぬと掛けた保険料がもったいないという保険です。

名前がとにかくトンチンカンなので、なんでこんな名前が付いているのか調べてみましたが、どうやらトンティさんが考案したのが理由らしいんですね。なるほどトンティさんが…いやいや、私が知りたいのはトンティがなぜトンチンになってしまったのか、なのですが。「チン」の部分が明らかにおかしいでしょうが。日本人は総じて「チン」の響きには敏感なので、使用の際には細心の注意を払っていただきたいですし、トンティさんには何らかの説明を求めたいところです。

ともかく、トンチン保険は長生きすればお得、つまり長生きリスクに備えるための保険なんですが、この損益分岐点というのが、だいたい男性で88歳、女性で90歳とかなんですね。

88歳!もちろん平均寿命は年々伸びつつあります。健康意識の高まりに、医療の発展。私たちは昔より人生を長く味わうことができるようになっているのです。しかしそれにしても、88歳…。トンチン保険が人気ということは、自分の人生88歳以降について想像を巡らせるのが大人気ということなんですよ。皆さんの周りに88歳以上の高齢の方はいらっしゃいますか。こう言うのもなんですが、88歳の方はもうだいぶ色々な機能が低下していらっしゃいます。自分が老いていくことは想像できても、身体も十分に動かせず、頭もどう動いているのかわからない自分自身を想像することは難しく、そして辛いものです。ああしかし、トンチン保険はそれに備えよとパンフレットを突きつけてくるのです。

私はトンチン保険が怖い。トンチン保険がポピュラーになっていくことが怖い!みんなが88歳以降に備えているのが怖い…!

苦しまない自爆スイッチがあれば、ボケる前に押すのにな、とも思いますが、いざそういう自分になった時に自分が何を感じているのかはわかりませんし、案外それが幸せかもしれませんしね。もちろんトンチン保険を掛けておけば、そんな自分の生活費の助けになるかもしれませんからね。しかし私はトンチン保険を直視できずにこのまま老いていくでしょう。

こういう話を考えていると、中学生のころの同級生が教室内で大声でイキっていたのを思い出します。「俺絶対30になったら死ぬわーー、30になったらあとは衰えて老いてくだけなんでしょ?じゃあ元気なうちにさっさと死ぬわーーーー」と。彼はきちんと死ねたのでしょうか。ヘマこいていることを願ってやみません。