訓練を規律する自制心を罰する学科
どうしても覚えられない単語というものはあるものだ。単語帳に入れて何日か見返してみたりするものの、しばらく間が空くともう忘れている。単語の意味は忘れているが、この単語はあのまったく覚えられない単語だ!ということはとにかく記憶に定着している。覚えられないということは、使わない単語ということなのだが、そのくせよく見かける単語だったりするので困る。つまりは少し固めの文章で頻出する単語なのである。私は現在ライティング方向はほとんど勉強していないし、スピーキングも身の回りのことを描写する程度だから、こういったニュースのリーディングなどで出てくる単語に弱い。記憶に定着させるためには、とにかく印象に残すこと、使うことである。そういうわけで、このブログで紹介することにする。
まずは「discipline」である。ディシプリン。語感からは知的で硬そうな感じ(おそらくdescriptionに引っ張られている)や、薬のような感じ(たぶんpenicillinペニシリンに引っ張られている)といった印象を受ける。これが答えに近いような近くないような、というのも、記憶を混乱させる一因であると思う。オンライン辞書で調べると、以下のようである。
discipline
https://eow.alc.co.jp/search?q=discipline
なるほど、いろんな意味があるんだなあ。よく分からない。よく分からないよ!
向いている方向はなんとなくわかるけども、意味がワイドすぎるのではないか。それでいて「学問の領域」だけすっとんでいるようにも見える。あるいは、これはもっと根本に抽象的な概念があって、それを日本語に当てはめようとするとワイドな言葉に当てはめざるを得なくなる、ということなのだろうか。
検索してみると、こんなサイトが出てきた。
disciplineは,「規律,訓練,学問分野,学科」などと訳されますが,この言葉の包含する意味として,「固有の原理原則,基本的な原理」があります.「学問分野」と訳されるとき,「その学問分野は,その分野固有の原理原則を持っている」ということです.
うーんなるほど、原理原則というのが核だとすると、幾つかの訳はある程度派生として繋がる気がする。なにより「学問の領域」がきちんと繋がってくれる。
さらに、知人からは英英辞書を引いた上で指摘をいただいた。従わない場合は罰を受けるような形で、ルールや行動規範に従うように人を訓練すること、だとのことである。これで罰の意味まで繋がるようになる。
核はわかったが、それにしても意味が拡大しすぎなのではなかろうか。これだと、学問disciplineの訓練disciplineにおいて、規律disciplineを乱してしまったので罰disciplineを受けた、なんていう使い方もできてしまうのではないだろうか。まあおそらく、できないことはないが馬鹿馬鹿しいのでそんな使い方はしないだろう。
しかし、ここまで意味が拡大してしまうのが、英語話者の原理原則感、規律感、discipline感なのかもしれないと思うと、興味深いものである。やはりこのあたり、日本語の「訓練」では捉えきれないニュアンスというものが内包されているのだろう。
さて随分disciplineについて掘り下げたので、これでdisciplineが記憶に定着してくれることを祈ろう。最後の最後まで、スペリングをdes-と書きかけては消していたが…ついでに、このスペリングミスも思い出に添えておこうと思う。